足圧万倍日のスライム物語 | 俺もう、人間休むから。

足圧100万倍日 俺もう、人間休むから 足圧宗家の週末読み物イメージ
足圧万倍日。勢い余って、足圧100万倍日。
カオス・ミサキ式 週末読み物投稿
足圧万倍日のスライム物語

俺もう、人間休むから。

一粒万倍日という日がある。

一粒の籾(もみ)が、やがて万倍にも実るという吉日である。

ならば、足圧宗家®には、こういう日があってもよい。

足圧万倍日。

一踏みが、身体の奥で静かに広がり、
一つのこわばりがほどけるたびに、
人は少しだけ、自分の重さから解放されてゆく。

これは、何かが本当に万倍になるという話ではない。

もっと馬鹿で、もっと切実で、もっと身体に近い話である。

毎日の仕事。
通知。
数字。
返信。
人間関係。

どうでもいいようで、どうでもよくない気疲れ。

人は、平気な顔をして暮らしている。

けれど、背中は知っている。
腰は知っている。
首の奥は、もっと知っている。

「大丈夫です」と言ってしまった日の、大丈夫ではない残骸。

言い返せなかった言葉。
飲み込んだ怒り。
笑ってごまかした疲れ。
なんとなく続けてしまった無理。

それらは消えたようで、身体の奥に沈んでいる。

そして、ある日ふと思う。

俺もう、人間休むから。

スライムの出現と、幻の裏題

そのとき、スライムは現れる。

いや、正確には、城圭一郎である。

16年のベテランなのに、まだ足圧の見習いである。

だが、この週末だけは、少し違う。

踏むベトベトスライム人間じょぅ。

幻の裏題

ひと踏み百足魔圧万倍ぽにりょんひはひは祭り物語り

時空が少し歪む。
目黒の聖地が、ざわつく。

「ネトネトスライムじょぅ、ついに次元の向こう側へ行ってしまったか……」

そう思わせるほど、ほわほわは煮詰まり、
ぽにりょんは沈み、
ひはひはは揺れ、
人間の輪郭は、少しだけ怪しくなる。

だが、安心してほしい。
これは、ただの足圧である。

ただし、少しだけ、戻ってくる人間の形が変わるかもしれない。

ぷぅ~んと薫り、にゅるりと現れ、
煤(すす)けた陽炎のように立ち、
余計なことは言わず、ただ、踏む。

大足には重力。
細き手には竹。
双眸(そうぼう)には、冷やかなやさしさと、少しだけ地獄の入口のような静けさ。

百足(ムカデ)のような、よい目である。

本当にこちらを救うものは、たいてい少し怖い。
甘いだけのものには、だいたい蟻が群がる。
やさしいだけなら、墓場の人魂でもできる。

ぐゅぐぐぃ、むにょむにぃ

足が、背中に乗る。

うにょに。
ぺとっ……。

最初は、ただの重みである。

だが、その重みは、やがて奥へ入ってくる。

湿布では届かなかった場所。
ストレッチ動画を三日でやめた場所。
「そのうち何とかなる」と言って、何ともならなかった場所。

そこへ、足裏の圧が静かに届く。

ぐゅぐぐぃ。
むにょむにぃ。
ゆじゅらぐら。
ほわほわ。

人間は、本当にほどけるとき、あまり格好よくない。

白目になり、空気を見て、
「あぁぁ〜、うげぎゅ……」などと、妙な声が出る。

情けない。間抜けである。

だが、その声は本物である。

格好いいまま救われようとするから、人はますます疲れるのだ。

足圧宗家®の足圧は、ただ強く踏むだけのものではない。

足裏から重力を静かに通し、こわばりの奥へ入り、身体に溜まった重苦を、深く、静かにほどいてゆく技である。

少し痛い。けれど、抜けてゆく。

軽い痛みの底に、変なリズムと妙なやさしさがある。
逃げ場のない圧の中に、なぜか安心がある。

それは諦めでも、罰でもない。命令でもない。
説教でも、慰めでもない。

散らばった自分を、もう一度からだの中へ戻してくれる重みである。

脳内に咲くハイビスカス

そして、頭に花が咲く。

ハイビスカスである。

なぜハイビスカスなのか。知らない。
脳に聞け。たぶん脳も知らない。

目黒の布団の上で、南国の花。場違いである。

だが、救いというものは、いつも少し場違いな顔でやって来る。

桜のように美しくなくていい。
蓮(ハス)のようにありがたくなくていい。
もっと馬鹿でいい。もっと赤くていい。もっと意味が分からなくていい。

現代の疲れには、時々、そういう馬鹿みたいな希望が必要である。

ああ、抜けてゆく。

身体の中で、何かが煙になる。

怒りではなくなる。
不安ではなくなる。
虚しさでもなくなる。

ただの、もやになる。

もやなら抜ける。

抜けるなら、もう勝ち負けではない。

師範代・江上綾音の「硝子の万華鏡」

師範代・江上綾音の足圧は、また違う。

凛とした足が深く沈み、指が弾く。
身体はまるで、硝子の万華鏡のようにほどけてゆく。

静かで、細かく、深い。

力任せではなく、奥のこわばりを見つけてゆく。
気づけば、身体の内側で景色が変わっている。

こりが消える、というより、身体が思い出す。

「ああ、ここに血が通っていたのだ。」
「ここは、まだ動けたのだ。」
「ここは、ずっと黙って耐えていたのだ。」

そんな感覚が、遅れてやって来る。

この週末、人間をお休みください。

足圧万倍日。

それは、奇跡を約束する日ではない。

けれど、ひと踏みがきっかけになり、身体の奥で何かが静かに広がってゆく日である。

考えすぎた頭。
固まりきった背中。
力の抜き方を忘れた心身。

人は、平気な顔で暮らしていても、身体の奥には、言葉にならない重さを溜めている。

だから、ときどき人間を休んでいい。

畳の上で、正統にただ踏まれる。
何も考えない。何も説明しない。頑張らない。
立派でなくていい。ちゃんとした人間のふりを、今だけはやめていい。

ずいずい。
ぐぃぐぃぐ。
ほわほわ。夢うつつ。

気づけば、身体が先に帰宅している。

魂はまだ、目黒のどこかで、ほわほわしている。

それでいい。

この週末、「俺もう、人間休むから」と思った方へ。

足圧宗家®で、少しだけ人間をお休みください。

深く踏み、静かにほどきます。

週末のご予約について

週末のご予約は、セレクトタイプよりお願いいたします。

城圭一郎の長時間足圧、
師範代・江上綾音の120分足圧など、
空き状況をご確認のうえご予約ください。

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※施術の感じ方には個人差があります。
※体調に合わせて、無理のない範囲で施術いたします。
※強さや刺激が不安な方は、施術中でも遠慮なくお申し付けください。
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